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第24話 地図と子猫

作者: けもこ
last update 公開日: 2026-08-02 12:12:05

翌朝、目が覚めた時には、すでにセオドアは出立をした後だった。

起こしてくれれば良かったのに、と寂しく感じる。

それから、見送りができなかった不甲斐ない自分に、がっかりした。

セオドアが城を出発してしばらくは、図書室から本を持ち出して部屋で読んだり、刺繍をしたりして過ごした。

しかし、何をしていても落ち着かない。辺境へ来るまでの毎日は、双子たちの世話でとても忙しかった。今思い返せば、何もやることなく日々が過ぎるよりはその方がずっと良かった。

こんなに時間があっても現実が妄想に追いつかず、何も浮かばない。無理に思い浮かべようとすると、セオドアとの夜の色々が浮かんで、体が爆発しそうに熱くなってしまう。

妄想に浸ることすらできないとは。

はぁ、とため息をついた。

「奥さま、お疲れですか?」

向かい合わせで刺繍をしていたメイアが、ローティシアの小さなため息を聞いて、声をかけてくる。

「いいえ、大丈夫」——だって、疲れるほど何もやってないもの

取り繕うような笑顔を作り、メイアの方を見る。

「奥さま、少し中庭を散策されますか? まだ、雪も降り始めておりませんし、マントを羽織ってお散歩するのはいかが
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    翌朝、目が覚めた時には、すでにセオドアは出立をした後だった。起こしてくれれば良かったのに、と寂しく感じる。それから、見送りができなかった不甲斐ない自分に、がっかりした。セオドアが城を出発してしばらくは、図書室から本を持ち出して部屋で読んだり、刺繍をしたりして過ごした。しかし、何をしていても落ち着かない。辺境へ来るまでの毎日は、双子たちの世話でとても忙しかった。今思い返せば、何もやることなく日々が過ぎるよりはその方がずっと良かった。こんなに時間があっても現実が妄想に追いつかず、何も浮かばない。無理に思い浮かべようとすると、セオドアとの夜の色々が浮かんで、体が爆発しそうに熱くなってしまう。妄想に浸ることすらできないとは。はぁ、とため息をついた。「奥さま、お疲れですか?」向かい合わせで刺繍をしていたメイアが、ローティシアの小さなため息を聞いて、声をかけてくる。「いいえ、大丈夫」——だって、疲れるほど何もやってないもの取り繕うような笑顔を作り、メイアの方を見る。「奥さま、少し中庭を散策されますか? まだ、雪も降り始めておりませんし、マントを羽織ってお散歩するのはいかがでしょう」そうだ、体を動かすのがいいかもしれない。メイアの提案に従ってマントを羽織り中庭へ向かう。もうすぐ冬になろうという中庭には花も咲いておらず、剪定が終わり、冬支度の為の藁が植え込みに敷きこまれていた。中庭を抜け、城郭に沿って歩き始めた時、調理場の勝手口がバタンと開き、赤毛の男の子が飛び出してきた。手にソーセージを掴んでいる。勢いよく飛び出して来たので、そのままスカートの中にボスンと頭を突っ込んだ。ローティシアは、その勢いに押されて盛大に尻もちをつく。「奥さま!大丈夫ですか」メイアが慌てて駆け寄る。抱きかかえるような形で尻もちをついたので、男の子を確保した形になった。「コンラート!また、食堂から食べ物を持ち出して! 奥さまにお怪我をさせたらどうするの!」メイアが男の子を叱りながら引っ張り上げ、ローティシアの手を取って立つのを助けてくれる。「奥さま‥‥閣下と結婚した人ってこの人?」男の子がメイアに聞いている。「奥さま、申し訳ありません。この子はコンラート=ベルガモットと言いまして、辺境軍の副将をしているエンリオ=ベルガモット卿の息子です。ベルガモット卿が旦那さま

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